モビーディックの現代版

モビー ディックはハーマン・メルヴィル(アメリカの小説家)の代表作で1851年に発表されました。日本では「白鯨」と訳されています。
モビーディックとは凶暴な白いマッコウクジラの一頭に名づけられた名前のことです。
モビーディックは世界一の海洋文学作品との評価をする人も多く、日本に紹介されたのは昭和24年です。翻訳の初版は現代の人にとっては古い表現が多く難解な言葉使いとなっています。モビーディックを現代の人も理解しやすいように現代語で翻訳されている新版も出ています。
今、一般に販売されているのは千石英世さんが翻訳した「白鯨モービィーディック」の上下巻です。このモビーディックは平明な新訳とした文庫版です。
1952年に販売されたモビーディックは「白鯨」の題名で田中西二郎氏の翻訳で販売されています。現在でも入手できます。

モビーディックの内容

モビーディックと呼ばれる凶暴な白いマッコウクジラと、灯油の原料を求めて大海に出た捕鯨船の船長エイハブの壮絶な白鯨との死闘が描かれています。「モビーディック」の実質的な主人公はこのエイハブ船長です。エイハブ船長はモビーディックに片足を食われ、義足となっています。エイハブはモビーディックをし止めることに執念を燃やしていて、やや冷静さを欠いているように感じます。
モビーディックのその他の登場人物は一等航海士のスターバック(エイハブの独断専行をとめようと努力します。)物語の語り手のイシュメール、銛打ち名人のクィークェグなど多様な人物たちがモビーディックには登場します。そして、彼らが捕鯨船に乗り込み、モビーディックと対決するまでの、数年にわたる航海の内容が描かれています。
モビーディックは悪の象徴と解釈するのが一般的ですが、純白で大自然の中に生きるモビーディックこそが善である、と言う解釈もあります。

モビーディックの映画

モビーディックは映画化もされています。実質上の主人公であるエイハブ船長をグレゴリー・ペックが演じ、監督は名匠ジョン・ヒューストンです。この作品は1956年に作られて、その特撮シーンはさすがジョン・ヒューストン監督ならではのダイナミックなスケールで、観客か息詰まる光景に引きずりこまれていく内容になっている。
モビーディックはその後も映画化されていて、『地獄の黙示録』のコッポラ製作総指揮により海洋スペクタクルアドベンチャーとして完成されました。出演者は パトリック・スチュアート, ヘンリー・トーマス, グレゴリー・ペックなどです。
モビーディックの主人公役のエイハブ船長は、パトリック・スチュアートが演じています。単に復讐に燃える老船長ではなく、勇敢で頭もいい海の男を見事に演じています。
この「モビーディック」とグレゴリーペック主演の「白鯨」を見比べてみるのもいいと思います。

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